こんにちは!今回は坂ダッシュ(上り坂)の目的と効果について解説しようと思います。坂ダッシュはとても有名なトレーニングで陸上選手なら一度なら行ったことがある練習でしょう。しかし坂道ダッシュで具体的にどんな効果があるのか知っていますか?
今回は坂ダッシュの目的と効果、そして平地との違い、具体的な坂練習のメニューを書いていきます。
坂ダッシュで得られる効果

坂ダッシュで得ることのできる効果はずばり加速局面の強化です。上のイラストも素晴らしい加速を見せてくれています笑。他にも少し長めの坂ダッシュをすることで筋持久力の向上が期待できますが主に加速局面における推進力の向上が主な効果になります。
その理由は一言でいうと上り坂によって足の設置時間が長くなることです。上り坂走では接地時において体幹が適切に前傾し,離地時において股関節の伸展は小さくなることが分かっています。また下腿は地面に向かって倒れていて重心と離地点の距離が長くなっていることも報告されています。以上のことより、上り坂走では,長い接地時間によって大きな力積を獲得しているのです。では長い接地時間によって大きな力積を獲得しているとは一体どういうことなのでしょうか。
上り坂を走るときは設置時間が増えて地面に加える力積が大きくなる
100m走の中盤、後半では足をタイミングよく置くような走りが良いため坂ダッシュでの走りとは異なります。むしろ接地時間が長い走りはピッチが落ちてしまいいい走りとは言えません×。しかし序盤の加速局面ではスタートの0の状態から最大スピードまで加速しなければいけません。この局面は地面からより多くの力をもらわなければいけないため自ずと接地時間が長くなります。
つまり坂ダッシュの練習を続けて坂を速く走ることができるようになれば平地の加速局面で多くの推進力を得ることに直結するということです。以上が坂ダッシュで得ることのできる分野でした。
坂ダッシュは加速局面の部分に効果がある
→坂での走りがスタートに似ているから
平地との違い
次は坂と平地との違いについてです。坂を走るときと平地を走るときの大きな違いは遊脚(浮いている方の脚)を自発的にひきつけなければいけないことです。坂では脚を前に持ってきたときに足を置くスペースがありません。斜めになっていますからね。そのため平地を走っているときと比べて自分自身の体をグッと引き上げる動作が必要になります。この時の引き上げる一歩一歩ごとに負荷がかかってきます。この動きは平地では再現が難しいため普段使わない筋肉が活性化されます。特に臀筋あたりに強い負荷がかかります。走るときも臀筋(お尻の筋肉)を意識して走るとよいでしょう。
自分の体を引き上げる動作が必要になる。この動きで臀筋に刺激が入る。
目的は?
目的は主に2つです。坂ダッシュで得ることのできる効果のトピックスでも取り上げましたが何といってもスタートダッシュ時の加速力を鍛えることです。坂の角度にもよりますが一般的な坂であれば走っているときに前傾するはずです。この前傾のまま走る動きが加速局面に一致しているためほかの人より加速の分野が劣っていると感じている選手は積極的に坂ダッシュを取り入れるとよいでしょう。
目的の二つ目は筋持久力の向上です。上り坂を走るときは普段のトラックを走るより大きな負荷がかかるため中程度の距離を測ってセット走を組み込めば坂の後半は足が回らなくなるはずです。この回らない!という感覚の時に頑張って足を回すことにより筋持久力の向上が期待できます。しかしほかにも筋持久力を鍛えることができる練習は存在するため私はスタート時の加速をメインの目的とした方がよいと考えます。
スタートダッシュ時の加速力の強化
筋持久力の向上
具体的なメニュー
続いて具体的なメニューです。先ほど挙げたスタートダッシュの強化と筋持久力の向上の2つの目的に合わせてメニューの提案をします。
スタートダッシュ時の加速力強化
・30m×5,60m×5 r=3min
まずは30mの短い距離でトップスピードに到達するくらい全力で走る。60mは最後までピッチを落とさないようにトップスピードを維持する。
この練習はスタート時の加速力を鍛えるのに有効な練習です。先ほども記述しましたが走るときは臀筋を意識するとよいでしょう。
筋持久力の向上
・150m×3×2 r=walk back+5min
・200m×5 r=walk back+6min
少し長めの距離を最後まで足を回して走りましょう。特に各セットのラスト一本がきついと思いますが走り切れば大幅に筋持久力を鍛えることができます。
デメリット
ここまで坂ダッシュのメリットばかりを述べてきましたがデメリットはあるのでしょうか。
足首、膝の角度が伸びてしまう
上り坂の坂ダッシュはどうしても足首や膝の角度が大きくなりがちです。足首は接地時間が長いため踏ん張るようになってしまい足首の固定が困難です。しかしトップスプリンターのデータでは足首や膝の角度は小さい方がよいという論文もあります。その理由は足首がつぶれたり膝を伸ばす動きがロスになってしまうからです。坂ダッシュではこの好ましくない動きが生まれてしまうためフォームの改善に取り組んでいる選手は一度坂ダッシュをやるべきかどうか考えてみましょう。
接地のタイミングがずれてしまう
坂での練習が続くといざ本番の平地に戻ったときに接地のタイミングがずれてしまう恐れがあります。大会当日は平地なのです。大会直前など走りの感覚が重要になってくる時期は控えましょう。
まとめ
以上が坂ダッシュのいろはでした。坂ダッシュは臀筋を中心として下半身に効果的な負荷を与え加速局面での推進力強化に有効であることが分かりましたね。また長い距離を踏むことで筋持久力の分野にも良い効果があります。しかし良い点だけではないため注意しましょう。坂ダッシュに限らずすべてのメニューでどんな目的かを考えることが記録向上の第一歩なので思考しながら練習を試行しましょう!!それでは!



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